僕は進んで仮説を書こう

 先日大阪に行く用があり、道中の飛行機の中で何か暇をつぶせるものはないだろうかと考えていたとき、そうだ、以前小飼さんが「99.9%は仮説」という本を紹介しておられたな、面白そうだったし読んでみるか・・・と思い読んでみた。

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

 面白かった。そして、久々に頭をがつんとやられた。

 この本において、著者の竹内薫さんは、まず「飛行機がなぜ飛ぶのかまだ完全には解明されていない」という話からはじまって、今までの歴史の中で起こった様々な例を挙げながらこの世でおよそ常識とされていたものは単なる仮説の一つにすぎず、それは他の仮説の登場によっていとも簡単に覆されるものであるということを説いている。そして、己の考えを一つの仮説のみに依るのではなく、いくつかの仮説を相対的に比較し判断しよう、と主張しておられる。へー、飛行機ってなんで飛ぶのか正確にはわかってなかったのかー、とそんな文を今まさに高度ウン千メートルの上空を飛んでいる飛行機の中で読む、ちょっと面白い。

 で、僕はこの本を読んでがつんと来た。そして、「僕の頭の中にある仮説も進んで世の中に出すべきでは無かろうか」という考えが僕の心を強く占める、という大きな心境の変化を得た。

 僕は今までニュースや議論などを目にして僕の心の中にあるとりとめのない考えが浮かんできたとき、それをブログなどに書こうとすると、「いや、こんな反論があるだろうなぁ、書いても無駄かなぁ」「こんなことを書いたってアホかお前とか思われて終わりなんだろうなぁ」などと考えて書くのをためらってしまい、結局書かないまま終わってしまうということがよくあった。しかしこの本を読んで、世の中ほとんど仮説だって言うんであれば僕も思いつくことはどんどん書いてみよう、賛同が得られれば万々歳、アホかと言われれば何がアホなのか理由を考え、納得いけば参りました、いかなければ反論する、ということを続けるべきなのでは、と思うようになった。自分の仮説を世に問い、反論から学ぶ。他人の仮説を読み、吟味し、納得いかなければ反論を試みる。それが自分自身の成長にもつながるのではなかろうか。

 無学ゆえまともな文を書けないかもしれない。無知ゆえ的はずれな仮説を放ってしまうかもしれない。それでもとりあえず書いてみよう。議論から学ぼう。もしかしたら自分の仮説が世の中の「常識」とされるものを覆すものになるかもしれない、そんな日を夢見て。

・・・我ながらたいした曲解だと思う。この文は僕が生んだ「仮説」に過ぎませんので、この文を読んだ皆様方におかれましては是非とも「99.9%は仮説」をお読みいただき、皆様なりの「仮説」を得ていただきたいと存じます。